|コラム#3|不安障害(不安症)について

|コラム#3|不安障害(不安症)について

1.不安障害(不安症)とは

前回は小さな不安との付き合い方について、取り上げました。今回は不安障害について、まとめてみたいと思います。

不安障害とは、精神的な不安や恐怖などの不快な感情が高まり、生活に支障をきたすほどの影響が出ているものをいいます。
ひと前で話すときや、会議で発表する際など、胸がドキドキすることや、冷静でいられなくなるということは当たり前の反応ですが、それが大きくなり、日常生活に影響を及ぼすようになると、とてもつらいものです。

小さな不安が起きると、人はそれに備え、頭の中でイメージする、練習するなどの対処を行うことができますが、強い不安になると、ストレスの反応や苦痛を感じるようになり、その不安を避けてしまい生活が制限されることや、身動きが取れなくなってしまいます。

そのような、強い不安が続くようであれば、心療内科や精神科への受診を検討されてもいいかもしれません。

2.代表的な不安障害

・パニック障害(パニック症)

突然、動悸やめまい、発汗、窒息感、吐き気、手足の震えといった発作(パニック発作)が生じることで生活に支障をきたしているこころの病気です。パニック発作が起きている間は、死ぬのではないかという恐怖が生じ、とてもつらい状態です。

パニック発作が繰り返し発生すると、将来の発作に対する恐怖、または発作を起こしやすいと考えられる状況を回避しようとする行動の変化が生じることもあります。

・社交不安障害(社交不安症)

何らかの特定の対人場面にさらされることに関する恐怖および不安で、生活に支障をきたしているこころの病気です。それらの状況は回避されるか、耐えるのに強い不安を伴います。

例えばスピーチ、会議、ひと前での電話といった様々な対人場面において不安を感じ、またその状況を回避してしまいやすいことで、生活が制限されてしまう場合もあります。

・強迫性障害(強迫症)

頭の中に浮かぶ思考や、イメージが引き起こす不安の軽減や、回避のために、手洗い、確認行為、過度な消毒などを、自分の意思に反し、繰り返し、持続的に行わざるを得ず、日常生活に影響が生じてしまっているこころの病気です。

本人はしたくないと思っていても、せずにはいられない、考えずにいられない状態で、時に家族にもそれを強要してしまう場合もあります。

・全般性不安障害(全般不安症)

心配の対象が特定の事柄に限定されず,(家族、仕事、学校、友達など)複数の漠然とした強い心配事を抱え、その状態が半年以上続いているこころの病気です。

症状が進むと、不安と心配のため十分な睡眠がとれなくなることや、体が緊張してこわばる、集中できなくなるといった身体症状や精神症状が強くなります。

3.治療について

不安障害の治療は主に薬物療法と、カウンセリング(認知行動療法)が有効とされています。

薬物療法を行い不安をやわらげながら、カウンセリング(認知行動療法)によって、自分の状態をチェックする方法や、不安になりやすい考え方、これまで行ってきた行動を見直して、不安と付き合っていく方法を学びます。

4.終わりに

今回は不安障害について、まとめてみました。普通の不安と、こころの病気の不安障害の違いが分かりにくく、どのタイミングで心療内科や精神科を受診したらいいか悩む場合もあるかもしれません。

ポイントは【夜なかなか眠れない】【目が覚めてしまう】【不安が大きくて苦しい】【何もするにもおっくう】【気持ちが沈む】【好きなことをしてもやる気が起きない】【食欲がわかない】【集中できない】【死にたいと考えてしまう】これらの状況が続いている場合は、早めの受診をお勧めいたします。

また、いまにしこころの相談室でも、認知行動療法を行っております。もし自分の不安になりやすい考えを変えたい、不安と付き合っていく方法を知りたいという場合は、ぜひお問い合わせください。

一緒にあなたに合った不安との付き合い方を考えてみましょう。

いまにしこころの相談室 代表 今西広嗣

引用、参考にさせていただいたホームぺージ

厚生労働省 知ることから始めようみんなのメンタルヘルス
厚生労働省 こころもメンテしよう~若者を支えるメンタルヘルスサイト~
MSDマニュアルプロフェッショナル版