皆様こんにちは。何かコラムを書こうと考え、はじめに、開業に至った理由について書いてみようと思いました。
以前から妻とともに不妊治療を続けておりました。もう6年くらいでしょうか。なかなか妊娠まで至らなかったのですが、昨年初めて、妊娠することが出来ました。
はじめは半信半疑でしたが、妻の食べづわりや、エコーの写真を見るにつれ、少しずつ現実感がわいてきたところでした。
ある日、病院に診察に行った際に、エコーの検査の際、心臓の動きが止まっていると主治医より告げられました。稽留流産(けいりゅうりゅうざん)、おなかの中ですでに亡くなっているとのことでした。 その時は頭が真っ白になり、ただ、妻のケアをしなければということばかり考えていました。
その後、妻の手術が行われたのですが、それまでの期間は、あまり記憶がありません。ほかの人には言えず、妻とともに涙して過ごした日々でした。
このことがきっかけになり、地域に、どこか話せる場所を作りたいと思う気持ちが強くなりました。こういった喪失体験というものは、日々の忙しさから、どこか置き去りにされているような気がします。
健康、引越し、転校、失恋、離婚、失業、死別、日常には喪失体験があふれています。少しずつでもそういった喪失体験のケアに携わることができればと考え、いまにしこころの相談室を開業いたしました。
また、今は力不足ですが、いつか周産期喪失(ペリネイタルロス)のケアに関わることができるように、力をつけていければと考えております。
文責:いまにしこころの相談室 代表 今西広嗣